【自分の音楽的バックグラウンドに多大な影響を与えた楽曲10選】
- Mojo Yamauchi
- 2016年2月17日
- 読了時間: 7分
自分、小学校5年の時にギターを始めたわけですが、 当時、リアルタイムでは「ニューミュージック」と呼ばれる人達が台頭していた時期でした。 しかし年上のいとこの影響もあって、「かぐや姫」「井上陽水」「さだまさし」という やや上世代の「フォーク」のアーティストをコピーしていました。 ギターを始めたから尚更音楽に夢中になったということは言えますが、 それ以前から自分は元々音楽が好きだったわけで、 思い返せばギター・オリエンテッドではない音楽からもかなりの影響を受けていることがわかります。 そんな自分が幼少期からティーンエイジャーまでの多感な時期に影響を受けた音楽を、 生誕50年を迎えるにあたり、あらためておさらいしてみました。
1.また逢う日まで('71)/尾崎紀世彦
'70年代~'80年代にかけてTVでは音楽番組はキラーコンテンツでした。 いわゆる昭和歌謡から受けた影響というのは計り知れないものがあり、 レコードも持っていないし特に聴きこんだわけでもないけれど歌えるとか、 コピーしたこともなかったけれど今ギターで弾こうと思えば弾けるとか、 もう完全に私の身体の血肉となっていると言っても過言ではありません。 そんな昭和歌謡の中でも私が特に大きな影響を受けたのが、 作曲家 筒美京平先生が手がけた作品の数々です。 特に'70年代まではほぼ作・編曲を同時に手がけており、 筒美さんによる粋なアレンジを筒美さん自身のセレクションによる 石川晶/猪俣猛/田中清司(Dr) 江藤勲/寺川正興/武部秀明(B) 杉本喜代志/水谷公生/矢島賢(Gt) 飯芳馨/栗林稔(Key) といった当時の一流スタジオ・ミュージシャンの演奏で聴けるというのもたまりません。 というわけでそんな筒美京平先生の代表曲の1つをチョイス。 もうこのイントロで魂持っていかれますよね。
2.Yesterday Once More('73)/The Carpenters
この曲を初めて聴いたのは小学校低学年の頃。 それ以前にカトリックの教会が併設された幼稚園に通っていて、 カナダ人シスターから英語を習っていたこともあったので、 洋楽というか英語の歌には何らアレルギーはありませんでした。 美しいメロディーラインと独特の倍音成分を含んだカレンの声に 無意識に魅了されていたんでしょうね。 学校の音楽の授業とか関係なく縦笛(ソプラノ・リコーダー)で メロディーをコピって吹いてました。
3.I Only Wanna Be With You('76)/Bay City Rollers
小学校5~6年生の頃大流行していたのがこのベイ・シティ・ローラーズ。 「ロックバンド」というものに興味を持った初の対象です。 もっとも彼らが本当に演奏していたかどうかは甚だ疑問ですが(苦笑)。 ローラーズというと一番有名なのは「SATURDAY NIGHT」なんでしょうけれど、 私が一番グッときたのはこの曲でした。 これ自体カバーで、オリジナルは'63年のDusty Springfieldによるものですが、 ローラーズverのドラムとベースのイントロは実にいいアレンジだと思います。 そして結局「ポップでキャッチーなメロディーライン」が大好物というのは、 もうすでにこの時期に確立されていたようです。
4.Hotel California('76)/The Eagles
アイドル・バンドではない本物の(本当に演奏しているw)ロック・バンドとして 最初に影響を受けたのがイーグルスでした。 中学に上がる頃には心はすっかり洋楽ロック少年になっていましたが、 ギターはまだアコギでした。なのでアコギにエレキの弦を張って練習してましたね。 同級生にKISSが大好きなヤツがいてそいつはすでに何本かエレキを持っていたのですが、 そいつから使わないエレキ・・・なぜかボディをあちこち切り刻まれたストラト・・・ 自力でトンガリ・シェイプにしようとしたのか?・・・とアンプを長期拝借してましたね。 ギターによるアンサンブルとか音作りとかを意識してこのアルバムは全曲よく聴きこみました。
5.Layla('71)/Derek & the Dominos
中学時代、高校生の兄貴がいてロックのレコードをいっぱい持ってるっていう同級生がいまして、 そいつん家によく遊びに行ってはパープルやらツェッペリンやら聴き漁っていたわけですが、 この曲はもうイントロが流れた瞬間ウソでも大袈裟でもなく身体に電流が走った感があったんです。 もう、まさに「これだ!」と。 以降長らく私淑することになるエリック・クラプトンとの「出会い」がこれでした。
6.異邦人('79)/久保田早紀
さてロックが好きな中学時代もまだまだTVでは音楽番組は華やかでした。 そんな中登場したのがシンガーソングライターの彼女でした。 この曲のインパクトの強さったら。 そんな強烈な曲をもの凄く透明感がある美人が歌ってるんですよ。 ルックス込みで大ファンでした。 スクェアのキーボーディストだった久米大作さん(お父さんは俳優・声優の久米明さん)と結婚後、 久米小百合としてクリスチャンばりばりのアルバム出したのも追っかけたくらいですからw それはともかく。。。 後で知ったのですが、この曲は元々こういうオリエンタルなシルクロード要素の楽曲だったわけではなく、 タイアップとかがあっての後付けだったみたいですね。 それこそ編曲の萩田光雄先生は筒美京平先生の「魅せられて(ジュディ・オング)」を相当意識したらしいです。
「異邦人」は発表から1年後の「サウダーデ」というアルバムでセルフ・カバーされるんですが、 これがポルトガル録音でギターラ・ポルトゲーザによるアンサンブル・アレンジでの アコースティック・バージョンになっていて最高に素敵なんですよね。
7.My Shalona('79)/The Knack
「異邦人」と同時期に世の中でヘヴィー・ローテーションだった楽曲が この「マイ・シャローナ」でした。 世紀の一発屋とか言われようが何だろうが最高の1曲ですよ。 イントロのドラム・パターンからのギターとベースのユニゾン・リフ、 メロディーのフックの付け方、突然展開する間奏、そして戻る・・・ もう文句なしの名曲。
8.Got My Mojo Workin'('65)/Jimmy Smith
さて高校時代はタモリさんのオールナイト・ニッポンを毎週欠かさず聴いてたわけです。 クラプトン師匠を研究し、ブルーズを勉強していく中で、 この曲自体はマディ・ウォーターズの曲として認識してましたが、 ジャズ好きのタモさんがかけたのはジミー・スミスのVerbのヤツだったんですね。 これには「かっけぇー!」って深夜に一人で興奮してしまいました。 私がステージ・ネームで「Mojo」を名乗るようになるきっかけは実はこれなんです。 マディでもライトニンでもないんです。
9.'Round Midnight('54)/Thelonious Monk
これもタモさんのオールナイト・ニッポンで初めて聴きました。 モンクはこの曲を何回もレコーディングしてますが、 この'54年パリ録音のピアノ・ソロ(Vogue盤)のものが一番好きですし、 タモさんがかけたのもこれでした。 (だから正確にはこの盤でのタイトルは'Round About Midnight) 何が衝撃だったかというとアウトサイド・ノートの使い方ですね。 この頃はまだJazz理論の勉強なんてしていなかったんですが、 「不協和な音でもカッコよく響けばそれは間違いではない」んだっていうことを 感覚的に教わったのがこの演奏でした。 モンクの曲は他に割と「わらべ歌」っぽいシンプルなテーマのものが多くて そういうのが好きな自分としてはある意味マイルスよりモンクの影響の方が 大きいかもしれません。 マイルスも例えば「ジャン・ピエール」なんかはもろにその路線ですけどね。
10.Rawhide('80/'81Jpn)/The Blues Brothers
この曲が、というよりこの映画自体に受けた影響はかなり大きいです。 もう何度観たことでしょう。 この作品が提示するショー・ビズ的エンターテインメントのあり方、考え方、もう大好きです。 基本ブルーズやソウル・ミュージックに対する愛を根幹とするこの映画の中から なぜあのシーンのこの曲をピックアップしたかというと、 ・結局ウケればいいw ・あ~知ってる知ってる、ガキの頃観てた、好きだった で演奏出来ちゃうミュージシャンの懐の深さと職人芸といったところに感じ入るものがあるからです。 だって、 「キーは何?」 「Aだよ。カントリー用のキーだ」 なんていうやり取りのセリフがサラっと出てくるあたりがたまらんのですよ。 この映画があったからこそ高校時代にやってたバンドで 「兄弟仁義」(by 北島三郎御大)を演りたいとメンバーに言えたわけですw