難しいことは単純に、簡単なことは簡単なままに
- Mojo Yamauchi
- 2014年3月4日
- 読了時間: 2分
心臓カテーテル治療の第一人者である心臓内科医の延吉正清さんの話。
彼の言葉で、ボクが「言いえて妙だな」と思ったのは、
「難しいことを単純にするのがプロ、 簡単なことを難しくしてしまうのがアマ」という表現でした。
まぁ、「プロ」「アマ」ということを度外視したとしても、音楽の世界に当てはめて同じようなことが言えるなぁ、と。
ボクが受け取ったニュアンスとしては、「単純にする」っていう表現が実に的を得ていると思うんですね。
例えば楽器演奏なんかでも、本当に上手い人っていうのは、なぜ上手いと思えるかというと、
「難しいフレーズを難しい事やってるなんて思わせないくらいスムーズ」に出来る
っていう純粋なスキルの面もあるでしょうし、
「単純化したアプローチで複雑なフレーズを弾いたのと同じくらいの効果」を出せる
っていうエコノミーなスキルの面もあるでしょう。
職人さんや技術者さんの世界でもよく見聞きする話なんですが、腕が上がってきた若い技術者が複雑に構築した手法やシステムで組み上げてみたものの、どこか上手くいかないところがある・・・
そんな時棟梁やヘッド・エンジニアと呼ばれる熟練の人達は、ちょっと見ただけで「ここをこうすりゃいい」ってシンプルに判断出来ちゃったりしますよね。
こういう場合って大概が「単純化」する方向だったりするもんです。
補足的にボクなりの考えを付け加えるとすると、
「簡単なことを簡単なままに出来る」
っていうのもプロフェッショナリズムとしては大事なポイントかと思います。
BLUE NOTE TOKYOあたりでドラマーのスティーヴ・ガッドが出てると、物凄~くシンプルな3~4発くらいのタムのフィルで客席から「お~っ」って、あまりにも素晴らしいタイム感に声が上がったりします。
主役ガッドじゃないし君ら沸くとこ違うだろって思ったりもしますが(w
まぁ、そういうことなんですよね、きっと。
若い時分に早弾きとか複雑なフレーズとかにチャレンジするのはいいことだと思いますし、必要以上に早くから「枯れる」必要もないですけど、「活きる使いどころ」っていうのは意識してた方がいいでしょうね。