チューニングの話
- Mojo Yamauchi
- 2014年3月4日
- 読了時間: 4分
「チューニング」というと広い意味では楽器の調整の意味も含まれますが、今回は「調律」という意味でのチューニングについてのお話。
チューニングの拙さが一番耳に付くのは、やはりギター弾きかな(w
そもそもチューニングが合ってない楽器で音楽を演奏する、ましてやそれを他人様からお金取って聴かせるなんて失礼極まりない話なんですが、チューニングに関しての「意識」が最近低くなってきてるような気がするんですよね。
絶対音感の持ち主なら、チューニングの狂いなんて気持ち悪いことを放っておくわけがないでしょうけど、そもそもミュージシャンならば磨かれていて然るべき相対音感すら欠如してるんじゃないか?というのは言いすぎになるのかなあ・・・。
まず最近はほとんどの皆さんが「チューナー(チューニングメーター)」という機械でチューニングしてますけど、実はその辺りにも遠因があるんじゃないかと思ってます。
ギターやベースで言うと、以前は音叉でAの音を合わせてから、5フレット/7フレットのハーモニクスで順次合わせていくという方法が一般的だったもんですが、最近の人はヘタするとこのやり方をやったことがないとか知らないとか言い出しますから(苦笑)。
私なんか絶対音感は無いくせに、音叉歴が長いのでAの音だけなら音叉やチューナーを使わずともほぼ正確にわかります。
私もチューナーは使いますが、通常はあくまでガイドとしての確認でしかなく、あとはギターを調整したときのオクターブピッチの確認とかそういう使用法がほとんどで、チューナーに頼ってすべての弦をチューニングしておしまい、ということはまずありえません。
それは自分の耳を信じてるから。
チューナーでチューニングしたギターは確かに開放弦レベルでは正確に合ってるのかもしれません。
でも押弦した時に正確なピッチで和音を奏でてくれるかどうかはまた別問題です。
押弦には弾く人の力加減など癖があるものですし、弦高などその使用するギターの特性によって押弦するポジションでもピッチのズレは生じます。
クラシックギターの演奏家の方々は、協奏曲など演奏する楽曲のキーに合わせてチューニングを微調整することなど、当たり前のようにやっています。
つまりコード等フレットを押さえた時にボイシングが綺麗に鳴らないということは、開放弦でEADGBEが合っていてもチューニングが合っていることにはならんのですよ。
そこを微調整するのは機械では無理です。
ということを言うと「自分の耳にそこまで自信が無いんで・・・」と言う人もいらっしゃるでしょうけど、じゃあもっともっと耳を鍛えればいいじゃないですか。
曲がりなりにも音楽をやっている人が「自分の耳に自信が無い」なんて、そんな耳で音楽をやろうっていう方が虫が良すぎやしませんか(苦笑)。
例えばバンドとかで演奏する場合の他のメンバーとのチューニングのズレにすら気が付かない自分だけは幸せという皮肉な人生を送ることになるのですよ。
すぐに身につくものじゃないかもしれないけれど、意識をもつことが耳レベルを上げていくんだという心構えがあれば、あなたのチューニングは今より絶対に良くなるはずです。
ところで・・・ライブ中にギターのチューニングが狂う。。。ってのはまあよくある話です。
狂わないようにライブ前に弦をよく伸ばしておくっていうのは必要な作業ですが、それでもステージの熱や気合のピッキングで狂ってしまうのは仕方ないでしょう。
その時落ち着いて素早くチューニングを整えることが出来るかどうかも実はステージングの大事な要素ですよね。
結構チューニング直しでダラダラ間が空いてしまったりっていうのは目にします。
この時、チューナーを使うのは別に悪いことではありませんよ。
先にも言ったようにガイドとしてチューナーを使うというコツを掴めば、時間もかかりませんからね。
ただ、たまに気になるのがピンの弾き語りの人なんですけどね・・・
「ちょっとチューニング直します」とか言ってチューナーをガン見しながらやたら時間かけてる人がたまにいますけど。。。
しかもチューニングに気を取られてるからMCも無くお客さんも放置プレイ(苦笑)
確かにチューニングをきちんとしようという心がけ自体はいいんですけど、状況を判断すればそこで鳴る楽器は自分が弾くギター1本だけで、他に合わす楽器もいないわけですよ。
A=440Hzとか別に厳密に合ってなくても大体のピッチでハーモニクスで合わせても誰にも迷惑はかかりませんよ(w
全体で半音までいかない程度のズレで調性としてのチューニングが楽器で合っていれば、別に歌いにくいってことはないでしょうし、合わせて歌っちゃうでしょ?
ほら!君にも相対音感があるんじゃん(w